環境=文化運動とは
辻信一流「文化人類学」
ナマケモノになろう
関わってきた運動あれこれ
話したり・書いたり
インタビュー・対談・執筆
ローカルという希望
国内外で出会った仲間たち
辻信一流「文化人類学」
環境=文化運動とは
共同通信2011年3月寄稿の書評
『自給再考』(農山漁村文化協会 刊)より
卒業するゼミ生諸君へ
「環境と文化――エコロジカルな自分を探す」と名づけたゼミを君たちと共にやってきた。毎年畑で大豆を、田んぼで米を育て、教室では、文化人類学や、ぼく流の「スロー学」、そして脱成長、脱グローバル化の思想を学んだ。3年生の秋には、GNP(国内総生産)に代わるGNH(国民総幸福)を目標に掲げるブータンへの校外実習を行い、日本社会が追い求めてきた、“豊かさ”なるものの意味を問い直した。
卒業していく君たちに、3年間よく議論したこの問いをもう一度思い出してほしいのだ。「で、グローバル化の次は何か?」
2008年の終わりに『自給再考』が出た時には、絶好のタイミングだ、と思ったものだ。まだ世の中はリーマンショック冷めやらず、経済学者も政治家もマスコミもいつになく殊勝そうな顔をしていたっけ。それから2年余、今だからこそ、この本を君たちに読んでほしい、とぼくは思う。
この本で、農学者や民俗学者、思想史家ら10人は、それぞれの専門分野から、これまでタブーのように忌避されてきた「自給」という言葉の深遠な意味を掘り下げていく。そして安価な石油の上に築かれたグローバル経済が崩壊してゆく、その先の世界を構想する。
一方、君たちがもうすぐ、そのただ中に身を置くことになる経済最優先の社会では、再び新自由主義と市場原理主義が跳梁している。「開国」派を名のって、新しい目玉商品であるTPP(環太平洋パートナーシップ協定)を振りかざし、それに抗う者を「後ろ向き」「閉鎖的」などと罵っている。
しかしそんな中にあっても、君たちはぜひ、大学時代に見つけたエコロジカルな自分を見失うことなく、「グローバル化の次」を模索し続けてほしい。この本とともに、そもそも貿易とは、交換とは、市場とは、農とは、地域とは、コミュニティとは何か、という基本的な問いへと何度でも立ち返ってほしいのだ。
辻 信一
関わってきた運動あれこれ
ナマケモノになろう
国内外での環境=文化運動に参加、特に若い世代の起業を応援してきました
話したり・書いたり
インタビュー・対談・執筆
これまでに受けたインタビュー、執筆記事から、その一部を紹介します。
「遮音社会」脱・陰謀論 文化人類学者が重視する、「分からない」に耐える力(毎日新聞デジタル 2024年1月) ▶読む
<連載中>レイジーマン物語 (ウインドファーム「コーヒー生産者をつなぐ旅」▶読む
「音楽を入り口に環境問題を考えるということ。」(CINRA 2022年6月)▶読む
「自分の中に眠らされている良い人を解放してあげればいい。」(greenz.jp 2021年5月)▶読む
小林武史さんとの対談(a sense of Rita vol.5 2020年9月)▶読む
鼎談「みんながしあわせな「新しい経済」について語ろう (kokocala 2019年1月) ▶読む
「Living the Slow Life can be a religious experience」 (Japan Times 2018年8月) ▶読む
「デカルトとナマケモノ」(ポータルサイト「トイ人」2018年) ▶読む
「グローバル経済の終わり」に備えて(朝日新聞デジタル掲載 2017年11月) ▶読む
「世界は“ローカル”の時代へ。私たちの「しあわせ」にとって、大切なこと」(kokocala 2017年11月) ▶読む
「ぼくがローカルに希望を見出す理由」(greenz.jp 2017年11月) ▶読む
「先住民族とナマケモノと出会って見つけた、スローな生き方」(greenz.jp 2017年10月) ▶読む
山崎亮さんとの対談「「地域の『唯一無二』どうやってつくるの?」(2017年6月) ▶読む
連載「“弱虫”でいいんだよ」(cakes 2015年3月~9月) ▶読む
連載「ゆっくり小学校」(月刊『婦人之友』2014年1~12月) ▶読む
「“ゆっくり”生きること」(月刊「みんぱく」2010年4月号) ▶読む(PDF)
「本当の“今、そこにある危機”を見極めよう」(マガジン9条 2005年12月)▶読む
国内外で出会った仲間たち
ローカルという希望
『僕らが変わればまちが変わり、まちが変われば世界が変わる』
推薦メッセージ(2021年3月刊行) ▶ご購入はこちら
これはトランジション・タウン運動への格好の入門書でもある。(略)
今まさにコロナパニックの裏側で、世界のあちこちで起こりつつある、
おだやかで楽しげな、でもあくまでも「ラジカル」な大変革運動である。 辻 信一
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