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執筆者の写真ナマケモノ事務局

ナマケモノ倶楽部天水棚田部の田植え 川崎 浩

ナマケモノ倶楽部に「天水棚田部」という部活があるのをご存知でしょうか。もう数年来活動をしているらしいのですが,わたしが知ったのは昨年の秋,収穫ももう終わったあとでした。

田植えにも草取りにも稲刈りにも参加していないのに,そのあとの収穫祭に,ちゃっかり参加させていただきました。


この天水棚田というのは,千葉県鴨川市の山あいにある棚田です(写真の赤い印のところ)。その棚田の一部をナマケモノ倶楽部の有志で借りて,田植えから借り入れまでをみんなでして,できたお米を分け合うというわけです。


昨年の収穫祭で,この棚田で育ったお米でつくったという日本酒をいただき,ほんとに美味しくて,感激してしまいました。それで,今年は最初の田植えから参加させていただくことにしたのです。


というわけで,すでにこの「ナマケモノしんぶん」でも古橋加奈子さんが書かれていますが(こちら),わたしも,5月21日に田植えに行ってきました。


100人を超えるひとたちがそれぞれの棚田にいっせいに並んで,田んぼの泥土に足を突っ込んで,稲の苗を2〜3本ずつ小分けにして手につかんで,泥のなかに根っこを差し込んでいきます。足も手も泥土のなかにあるとき,生命を感じました。足の下ではおたまじゃくしがうごめいているのが直に伝わってきます。手にも,水や土のなかに生きているに違いないいろいろな小さな生き物が触ってくる感覚がします。


田んぼの端に立っているだけでも,田んぼの水のなかにおたまじゃくしやアメンボが動き回っているのが目に見えますし,おたまじゃくしの親たちが懸命に鳴いているのがこれでもかといわんばかりに聞こえてきます。


ここにいると,いっぱいの生命の中の一つとして生きているんだなあという思いが自然と湧いてきます。なんだ,人間ってなんだか偉そうにしているけれど,たくさんのなかの一つにしか過ぎないんじゃないか。ほかの生命といっしょで,いずれこの土に還るんだし。



この棚田の風景には,土と田んぼと草たちや木々しか見えませんが,もっともっともっと近づいて触れてみれば,動物たちがいっぱいいるんですよ。


生きているものたちがみな還るところである,土を忘れてはいけないんじゃないか。



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