メキシコに住むナマケモノ倶楽部会員から、メーリングリストにうれしい便りが届いた。
<しおさんからの投稿 11月20日>
こんにちは!メキシコから、しおです。
ブラジル、リオデジャネイロで今日閉幕したG20サミットに、10月に就任したクラウディア大統領が出席してきました。
世界では軍事費が過去最高記録を更新し続ける一方で、多くの人々が貧困の中に暮らしています。
クラウディアはメキシコで行われている植林プログラム「センブランド・ビーダ(いのちの種をまく)」を紹介し、「戦争の種ではなく、平和の種、いのちの種をまきましょう」と各国の軍事費の1%をまわし、世界で史上最大の植林活動を実施していくことを提案しました。
クラウディアのyoutubeチャンネルに投稿されたビデオに字幕を入れましたので、よろしければご覧になってくださいね。
メキシコではクラウディアの大統領就任後も引き続き、アムロ前大統領が2月に提案した20項目に基づき、憲法改正の審議、手続きが進行中です。
その中でセンブランド・ビーダは、憲法レベルで実施が規定されました。よって、今後政権が変わっても、憲法改正にならない限りは、毎年予算が組まれ、事業が継続していくことになります。
メキシコでは今年前半の厳しい干ばつの後は、ハリケーンが多発し、多くの洪水が発生しました。
(我が家も浸水しました)
でも雨は恵、いのちを与えてくれます。センブランド・ビーダで植えられ、干ばつをなんとか生き延びた木々たちが日に日に育ち、森が育ち始めています。
いのちの種を、平和の種をまいて、育てましょう。
<辻信一から返信の投稿 11月20日>
しおさん、素晴らしい投稿ありがとう!
今日はサティシュの教えに背いて、朝から「デモクラシー・ナウ」を見ていて、パレスチナやレバノンの現状、続々と決まるアメリカの次期政権の恐るべき顔ぶれ、G20とCOP29での雪崩打つような原発回帰など、どれも目を覆うばかりの世界の様子に呆然するばかりでしたが、しおさんのメキシコからの報告とビデオにあるクラウディア新大統領の言葉に、心洗われる気持ちがしました。わかりやすい字幕を入れてくれてありがとう!
皆さん、特に一番最後に出てくる「センブランド・ヴィーダ」(いのちの種まき)に注目!
それはローカリゼーションのチャンピオンでもあるトセパン共同体から始まった森林農業(アグロフォレストリー)を基にしたローカル経済づくりの合言葉です。いつも中村隆市さんが、発信してくれていたように、この実践がアムロ(ロペス・オブラドール)前大統領時代に国の基本方針となり、新大統領となった今、それを支える思想と世界観が、メキシコの憲法になり、さらに国際的に波及していくというのです。このことが、この一見絶望的な世界の中に、そして若い世代の心に、希望の灯を灯すことが、ぼくにははっきりと感じられます。
そう、サティシュが言ったとおり、希望は私たち自身の愛と想像力にこそあるんです。
辻信一
<しおさんからの再投稿 11月21日>
>しおさん、これからもグッド・ニュースをお願いします!
はい!またメキシコ通信させてくださいね。
メキシコは、変化の真っ最中。
グッドニュースは、まいにち、まいにちあります。
「私たちを理想主義者と呼んでください。でも、妥協家でいるより、理想家でいたいと思います」
というクラウディアの言葉。
愛によって、誰もがしあわせに生きられる社会を創ろうとする、国の生みなおしのプロセス。
保守派の抵抗は日々激しく、大手のニュースを見るとクラウディアは独裁者で、メキシコは民主主義の崩壊危機にあるように書かれていますが、
就任一か月後のクラウディアの支持率は7~8割と、選挙時をさらに上回っています。
気候変動や、トランプ政権成立で移民や関税がどうなるかなど、読めないこともありますが、
人々は希望をもって毎日を生きています。
目に見える政策やその結果のもととなるものが、我欲やおそれではなく、愛であるということ。
愛が伝わり、人の目を、心を、思考を、ひらき、つないでいくダイナミズム。
ドラマチックな日々であります。
では、ここで、参考までにちょうど2年前に中村隆市さんがFBに投稿されていたトセパン協同組合についての記事を見ていただく。
<中村隆市 22年11月18日>
メキシコの先住民ナワット族が45年前に設立したトセパン協同組合には、現在およそ35000世帯が加入しています。これまで自然と共存することを大事にしながら森林農法によって有機農業を広めてきたトセパン協同組合は、女性の自立も大きな目標の1つに掲げて女性の社会進出を後押ししてきました。そのトセパンに初めて女性の組合長(パウリーナ・ボニージャさん)が誕生したのが組合設立から40年目の2017年でした。組合長のパウリーナさんをはじめ女性たちは、学校づくりに熱心に取り組んできました。今、メキシコを訪問しているウインドファームのスタッフから学校訪問リポートが届きました。トセパンの学校では、自然と共に生きる先住民文化がとても大事にされています。
そのウィンドファームのスタッフの現地訪問リポートがこれ↓
この中村隆市さんのブログ「風の便り」は、森林農業、フェアトレード、脱原発などに興味のある人にとっての宝庫だ。メキシコのこと、トセパンのこと、そのトセパンの森林農業を支援し続けてきた生態科学者パトリシア・モゲルのことなどもそこでたっぷり学べる。
次に、さらに遡って、6年前、現クラウディア大統領の前に6年間大統領を務めたアムロ(ロペス・オブラドール)氏が就任した時の発言を中村さんのFB投稿が紹介しているので見てもらおう。彼の当選、確認が多くの人にとっての「革命」であったということの意味がここに表現されているようだ。
18-12-09中村隆市
【メキシコの新大統領に就任したロペス・オブラドールの発言】
私たちは自然を破壊することなく生産性を向上させる森林農法の適用を推進します。遺伝子組み換え種子の導入および使用は認めません。フラッキングのように、自然に影響を及ぼし、水源を枯渇させるようなガス、石油あるいはいかなる自然資源の抽出産業も認めません。環境に影響を与える経済、生産、商業または観光プロジェクトは認めません。土壌、水および空気の汚染は食い止めます。動植物は保護します。水は民営化させません。
Impulsaremos prácticas agroecológicas que aumenten la productividad sin dañar a la naturaleza. No se permitirán la introducción y el uso de semillas transgénicas. No usaremos métodos de extracción para el petróleo, para el gas, para cualquier materia prima que afecten a la naturaleza y agoten las vertientes del agua que como el fracking. No se permitirá ningún proyecto económico productivo comercial o turístico que afecte el medio ambiente. Se evitará la contaminación del suelo, el agua y el aire. Se protegerá la flora y la fauna. No se va a privatizar el agua.
◆ロペスオブラドール氏、メキシコ新大統領に 汚職との闘いを表明(2018.12.03 CNN)
アンドレスマヌエル・ロペスオブラドール氏は1日、メキシコの大統領に就任した。7月に行われた大統領選で地滑り的な大勝を収めたロペスオブラドール氏は汚職と闘うことを公約に掲げている。任期は6年。
ロペスオブラドール氏は「統治者の不正行為ほどメキシコに害を及ぼすものはない」と述べた。就任式の演説では、大統領専用機を売却する考えを明らかにしたほか、大統領公邸には居住しないと述べた。給料については受け取る金額は40%にとどめるという。
ロペスオブラドール氏は過去数十年にわたって国内経済の中心だった新自由主義的な政策についても、惨事を引き起こしたとして批判した。同氏はまた、国営の石油会社や電力会社の支援に向けて公共投資を行う考えを明らかにした。
就任式には、米国のペンス副大統領や、トランプ大統領の娘で大統領補佐官のイバンカ・トランプ氏、カナダのトルドー首相が出席した。
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