こんにちは、矢野宏和です。きょうは、本の紹介です。「命の意味、命のしるし」(講談社BOOK倶楽部)という題名で、ファンタジー作家の上橋菜穂子さんと、獣医師の斎藤慶輔さんの 対談のなかで、下記の記述が印象に残りました。
下記、上橋菜穂子さんの言葉です。
↓
解剖学者の養老孟子先生から聞いた話で、
チンパンジーと人間の赤ちゃんを比べてみると
最初は人間の方が、身体的にも、能力的にも
劣っているのだけれども、あるところから突然
形成が逆転するのだそうです。
チンパンジーにとって世界は、
常に自分から見た世界でしかない。
ところが、人間の子どもは
あるとき、自分から見た世界だけでなく
自分の外に出て、自分というものを観る。
この「他者から見た自分」という視点を獲得したときに
人は、初めて、他者が自分と同じような存在であることを
想像し、他者に共感できるようになる、というのです。
人間は自分という「我」の外に出ることができる。
そして、他者の痛みを、
自分の痛みと重ね合わせることができる。
そして、そのことで、大きく成長するのだと。
以上が、本に書かれていたのですが、私は以前、ナマクラMLで紹介した梨木果歩さんの「ほんとうのリーダーみつけかた」のことを思い出しつつ、自分を見つめる、もう一人の自分という存在のことを重ね合わせながら、この本を読みました。
今回ご紹介させていただいた、この本は、こうした個々の在り様と合わせて、動物の生態をめぐる自然や、環境問題のことなども、いろいろ興味深い内容が書かれていました。
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