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執筆者の写真辻信一

[new-slothml:608] 今年もローカルフューチャーズが動き始めた

ぼくからのナマケモノ・ニュース。先日、共同通信に取材を受け、「脱東京」について話した。「脱大都市」世界中で勢いを増している。そういうグローバルな視野で、ローカリゼーションの今をしっかり捉えたいものだ。

6月のWLD(世界ローカリゼーション・デー)に向けて動き出した、我らが「ローカルフューチャーズ」からのニュースレターが来た。


16日には、イベントがあり、ポルトガルの協同組合「ミンガ」(日本語で結(ゆい)の意)が紹介されるという。英語がわかる人はぜひ。 以下、ぼくの意訳にて。 辻信一

 


コロナ禍がもたらした最も重要な影響の一つは、大都市から地方への脱出である「逆都市化」の加速でしょう。 拡大し続ける格差の下半分である“グローバル・サウス”では、パンデミックとそれに伴う閉鎖によって都市の中心部が大混乱に陥る一方で、無数の都市住民たちが、かつて彼らがあとにした田舎の村々へと戻っていきました。そこでの生活はより平穏で安定しているからです。そして、彼らの多くが農村部に留まることに決めたと報告されています。一方、これまで豊かだとされてきた「北」側の“グローバル・ノース”では、リモート・ワークの機会が増えたこともあり、より自然に近く、コミュニティのある、ゆったりとした生活を求めて、多くの人々が田舎に移り住むようになりました。 世界中で主流となった経済政策は、地域の生活を犠牲にし、小さな町や地方都市を破壊するようなものでした。その一方では、大都市をさらにメガシティへとつくり替えてきました。北京とその18の衛星都市には現在約6千万人が居住を促しているといいます。都市部の中の地域を“ローカライズ”していくためにできることはたくさんあるのですが、そのためにも政策の転換がいよいよ必要になっています。町、小都市、農村部の地域経済の自律を促すような仕組みさえあれば、地域の雇用機会を創出し、巨大都市の外側にもいきいきとした文化を生み出すことは可能なのです。 このシフトを切望しているのは、人間だけではありません。地球も同じです。周辺へと拡大し続ける今日の巨大都市は、工業的大量生産、長距離貿易、大規模なインフラの上に成り立っているに過ぎません。小さな町に比べて、はるかに資源浪費的な大都市への集中に、未来はありません。 ローカリゼーションの動きが世界中で活発になっています。そのすばらしい例の一つが、モンテモル・オ・ノボという小さな町に設立された、協同組合インテグラル・ミンガです。このワーカーズコープは、ポルトガルの多くの田舎町に共通する問題である、人口減少、耕作地の放棄、地域商業の衰退という流れを逆流させるために生まれたのです。 16日に行われるオンライン・ライブ・イベントでは、この協同組合について学びます。 「ミンガ」(日本語の結を意味する)組合は、食品生産者、ソーラーパネル製造者、グラフィックデザイナーなど、さまざまな小規模ビジネスを束ねる傘のような役割を果たしています。地元の農家と消費者を結びつけ、アグロエコロジー農業を推進し、あらゆる種類の地元産品を扱うショップを運営し、コミュニティスペースを管理し、地域通貨によるネットワークづくりにも参画しています。 組合メンバーであるホルヘとアレクサンドルをイベントに招いて、人々がよりスローな暮らしを楽しんだり、消費を削減したり、地元でとれた季節の食材を食べたり、人間のコミュニティと自然との調和を回復するために、協同組合とその活気溢れるネットワークがどのように寄与しているかを話してもらいます。お楽しみに。


>>英文でよみたい方はこちら

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1 Comment


パン田綾子
パン田綾子
Feb 25, 2022

「よりスローな暮らしを楽しんだり、消費を削減したり、地元でとれた季節の食材を食べたり」…というのが本質的に豊かで人間らしい生活なんだろうなと思います。脱東京したいー!

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