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執筆者の写真ナマケモノ事務局

Re:[new-slothml:616] 悲しいお報せ 中村隆市

辻さん、みなさん


亜美さんの逝去を知りながら、辻さんと同様に

ご遺族の事情と意思を尊重して、皆さんにお知らせできませんでした。


亜美さんは、明治学院大学の辻ゼミ時代からフェアトレードや

アグロフォレストリー(森林農業)に強い関心を持っていました。

特に、エクアドルの森を守る有機コーヒーのフェアトレードについて

最も多くの質問や共感の思いを寄せてくれた学生でした。


2001年のカフェスロー設立時には、ウインドファーム東京スタッフとして

当時、府中のカフェスロー内に設けた焙煎室でのコーヒー焙煎にも

熱心に取り組んでいました。


2002年には、ナマクラとウインドファームがエクアドルの森を守る人々を

応援するために「有機コーヒー・フェアトレード国際会議」を現地で開催

しましたが、そこにも参加して大事な役割を果たしてくれました。

この年には、「Style 2002」という青年起業支援のコンペに応募して

優秀賞と感動賞を受賞したり、翌2003年には東京都主催のコンペで

学生起業家賞を受賞。その賞金でスローウォーターカフェ有限会社を

立ち上げました。


亜美さんは当時、自分より少し若い人たちにこんな言葉を遺しています。


「就職を考えたとき、今まで考えてきたことの延長線上で働きたいな、

と思ったんです。そしたら、もうやりたいことあるじゃん、と思ったんです。

エクアドルのインタグに自生しているサイザル麻の雑貨も、日本で売る約束を

村の人たちとしていたので、就職しちゃったらその約束が果たせなくなる、

少しづつでいいから自分で仕事を作ろう、と思ったんです。客観的に見たら

就職した方がいいかもしれない。そのほうが賢いかもしれない・・・。

でも今やっていることが楽しいから、その道は選ばなかったんだと思います」


「やりたい仕事をひとつに決めなくてもいい、と思います。

唯一の天職を探すよりも、そのときやりたいことをやっていけば、

そのうち自分のスタイルができていくんだと思います」


「日本とエクアドルの両方の地域で、持続可能な生き方をする人たちを

つないでいくことができたらいいな」と語っていた亜美さんは、それを20年間

実践してきました。



今日、ウインドファーム社内でも初めて亜美さんのことを伝えました。

そして、みんなで黙祷をして彼女のご冥福を祈りました。


亜美さんが20年間やってきたことが、エクアドルの3つの地域を支援し、

地域の希望になっています。その希望をしぼませてしまわないように

スローウォーターカフェ関係者と現地の和田彩子さんとも相談しながら

彼女の意志を引き継いでいきたいと思います。


2022年2月18日

ナマケモノ倶楽部世話人 中村隆市

エクアドル・インタグ地方のコーヒー農園を見学する藤岡亜美さん。2000年

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